木材の基礎知識

 年輪(ねんりん)
木は無数の細胞が集合したもので、春から夏にかけての成長が速く、柔らかい部分(春材部)ができ、成長が遅い秋には、硬い部分(秋材部)ができます。この繰り返し成長した部分が、木の横断面に同心円状の輪として現れ、これを年輪といい、一般的に年輪のつまっている木材(数が多い、密度が高い)ほど強度があります。

 辺材と心材(へんざいとしんざい)
ある程度太くなった木材(丸太)の外側の色の淡い部分を辺材といい、樹液の流動や養分の貯蔵など植物が生育する上で必要な機能を持った細胞があり、生(なま)材時の含有水分が心材に比べて高くなっています。内側の色の濃い部分を心材といい、細胞としての機能が停止し、取り残された樹液などが変化して、色素や樹脂になり組織に留まり、辺材に比べ外注を受けにくく、腐りにくいといわれています。

板目と柾目(いためとまさめ)

木を縦に製材した時、年輪に直角に製材した面は年輪が縦縞状に見え、この面を柾目面(柾目)といい、年輪に沿って製材すると、年輪はタケノコ状の模様に見え、この面を板目面(板目)といいます。柾目はいたの両面の収縮差が小さく、狂いが僅かでかつ材面が美しいなどの長所があり価格も高くなります。

木材の乾燥はなぜ必要か

木材を乾燥させると下記のような利点があります。

①重量が減少し、輸送や取り扱いが容易になる。
②製品の狂いなどが起こらなくなる。
③変色や腐朽を防止する
④木材の強度的な諸性能を高める
⑤加工性や接着性などを向上させる

森林に生育している樹木は沢山の水分を吸収・貯蔵して生きています。その量は、樹種や樹木の部分で左表に掲げるように異なっています。この樹木を木材に加工し、建築物などの材料として使用するには、これを乾燥して木材のいろいろな特性を引き出して使います。

資料:「木材乾燥のはなし」(財)日本木材総合センター発行

木のいろいろな加工

木材を帯鋸や丸鋸などで切断して形を整えたものが、昔ながらの製材です。木材は、製材のほか、集成材、合板、パーティクルボードといった材料にも加工されています。それらの材料は、製材にはないサイズの柱、梁、板などが作れる、狂いにくさなどの性質を持っています。
例えば集成材は、乾燥した木材を使うことや欠点が材料内部に分散されることなどで、強く、寸法の狂い、割れなどが発生しにくい材料として、柱、梁など幅広く利用されています。
注意:これらの加工された材料でも腐れやすさなどは、原料である樹種の性質に影響されます。

データで見る木の性質

木は、腐る、割れる、狂うなど欠点といわれいますが、木材には腐りにくい木もあれば狂いにくい木もあります。使う場所なを間違うとあっという間にシロアリに喰われたり、腐ったりしてしまいます。
木材を使う場合には、値段だけではなく、使う場所に応じた種類の木を選ぶことが重要です。

※1 これらの値は、木材の無欠点小試験体による標準試験によって得られた結果であり、実際に使用される状態の木材で測定したものではありません。

※2 日本では「センベルセコイヤ」の市場名として「レッドウッド」を用いていたが、近年「オウシュウアカマツ」を「レッドウッド」と呼び流通していることがあり、両者は耐久性に大きな差があるため注意が必要です。

※3 日本では「イエローポプラ」の市場名として「ホワイトウッド」を用いていたが、近年「オウシュウトウヒ」を「ホワイトウッド」と呼ぶことが多く、前者が広葉樹、後者が針葉樹で根本的な違いがある。

資料:「木材活用辞典」資料編「主要木材の性質と用途」農林水産省林業試験場木材部(現 独立行政法人森林総合研究所)調整より作成

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